自閉スペクトラム症(ASD)
ASD(自閉スペクトラム症)は、生まれつきの認知や感じ方の特性による神経発達症です。「治す」ものではなく、「自分の特性を理解し、社会とうまくつながる方法を見つける」ことが支援の目標です。
ASDの主な特性
社会的コミュニケーションの困難
- -相手の気持ちや意図を読むのが難しい
- -字義通りに受け取りやすい(比喩・冗談が難しい)
- -雑談・世間話が苦手
- -アイコンタクトが難しい場合がある
限定的・反復的な行動・興味
- -特定のことへの強いこだわり・興味
- -急な変化・予定の変更が苦手
- -感覚過敏(音・光・触感・味覚など)
- -特定のルーティンへの強いこだわり
カモフラージュ(マスキング)について
特に女性や知的能力が高い方では、ASDの特性を意識的・無意識的に隠す「カモフラージュ」を行うことで、診断が遅れやすいことがあります。社会にうまく合わせようと消耗しているサインに気づくことが大切です。
よくあるご質問
Q. 診断を受けることにどんな意味がありますか?
「自分はなぜ生きにくいのか」の理由が明確になります。適切なサポートを受けるための根拠にもなり、職場への合理的配慮申請にも役立ちます。診断は「レッテル」ではなく、「自分を理解するための地図」です。
Q. どんな検査をしますか?
問診・生育歴の確認に加えて、必要に応じてWAIS(成人知能検査)などの心理検査を行います。認知の得意・不得意なパターンを客観的に評価します。
Q. 薬での治療はありますか?
ASD自体を「治す」薬はありませんが、不安・うつ・衝動性など、伴いやすい二次障害への薬物療法は有効です。また、ADHDを合併している場合はADHD治療薬が有効なことがあります。
Q. 子どもの発達が心配です。相談できますか?
保護者の方からのご相談も承っております。「発達が気になる」という段階からでも、お気軽にご相談ください。
日常生活・職場での工夫
- -「なぜ苦手か」を言語化し、周囲に伝えやすくする(合理的配慮の申請)
- -スケジュールやタスクを視覚化することで見通しを立てやすくする
- -感覚過敏への対処(イヤーマフ・サングラスなど)を周囲に説明する
- -自分の「得意」を活かせる環境・役割を探す
- -困ったときに相談できる信頼できる人を職場や生活圏に持つ
「生きにくさ」の理由を一緒に探していきましょう。「自分はなぜこんなに疲れるのだろう」と感じてきた方は、一人で抱え込まずご相談ください。